マウスピース矯正とは、一般的な矯正で用いられるブラケットやワイヤーを歯に装着せず、マウスピースを使って歯並びをきれいにする矯正治療です。インビザライン※というマウスピース型装置が広く普及しており、透明な素材で目立たず、周囲に気づかれることなく矯正治療が受けられるという特徴があります。取り外しが可能で、普段通りに食事や歯みがきをすることもできます。
マウスピース矯正は、通常のワイヤー矯正と比べて、患者様のご協力(自己管理)と医師の診断能力が大きく影響してくる治療です。矯正治療をお考えの際は、ぜひ一度相談にお越しいただき、ご自身のお悩みがマウスピース矯正で解消できるかどうかを一緒に考えていきましょう。
- インビザライン:1997年に米国アライン・テクノロジー社により開発されたマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置で、日本では2006年2月より導入がスタートしました。
こんな方におすすめです
- 歯並びにコンプレックスがある方
- 人前で話すことが多い方
- 周囲に矯正を気づかれたくない方(矯正装置が見えることに抵抗がある方)
- 痛みや違和感の少ない矯正をご希望の方
- 矯正装置による金属アレルギーが心配な方
- 矯正装置によるむし歯リスクが心配な方
- 毎日20時間以上きちんと装着できる方
マウスピース矯正のメリット・デメリット(注意点)
メリット
- 目立たない矯正装置
- 食事や歯みがき時に取り外しが可能
- 金属アレルギーの心配もなく、お口にやさしい
- 治療結果や治療期間が予測できる
デメリット・注意点
- 正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果が得られないことがあります。この点は自己管理によって十分注意していただく必要があります。
- マウスピース型装置の紛失により治療が中断するリスクがあります。
- 歯並びによっては、マウスピース型装置で治療が難しいことがあります。
- お口の状態によっては、マウスピース型装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
- 機能性や審美性を重視する治療のため自費診療(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
- マウスピース型装置は薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
マウスピース型装置(インビザライン)の適応症
インビザラインには適応症があります。まず歯並びの状態などをチェックし、インビザラインで矯正歯科の治療が可能かを診断させていただきます。
以下は一般的な適応症と非適応症です。
適応症
- 非抜歯で治療が可能な症例
- 歯根の移動が必要ない症例
- ブラケット(ワイヤーを使用した治療)による最終治療が可能な症例
- 1日20時間以上、マウスピース型装置の装着が可能な方
非適応症
- 歯のがたつきが強い症例
- 上下の顎で前後、左右のズレがある症例